間違いだらけのカタカナ英語

日本人が現在日本語に混ぜて使っているカタカナ英語の殆ど全ては間違っていると言って良いでしょう。頭の悪い有名人やメディアの人間がどこかで聞きかじった英語を「格好良く聞こえる」という理由で間違って使い出し、更に英語の本来の意味と全く違う日本語に基づいた拡大解釈をして益々間違いが大きくなる、という悪循環が続いているようです。なぜ訛った英語を日本語に混ぜるのが良いと思えるのか、その感覚の理解に苦しみますが、いずれにしてもこれは世界の先進国の中では日本にだけみられる特殊・異様な行動です。

日本人の間だけで間違った英語を使っているならまだ害は少ないですが、それが正しい意味と勘違いして英語を話す際に使うと、意味が通じない、誤解される、それどころか最悪の場合には失礼な意味になる、顰蹙を買う、ということになり、百害あって一利無しです。

「キログラム」「マウス」「スケートボード」のように外国起源で日本語に対応するものが無かった語彙は仕方ないとして、日本語で表現できることに訛った上に意味が間違った英語を使うのは止めて、私達の美しい日本語を美しく使い続けましょう。

  • スリーサイズ

    「スリーサイズ」は英語では measurements と言われます。「公称サイズ」等のように size が使われることもありません。 また proportion とは全体から見てある部分の他との比較の大きさ、釣り合いのことで、日本語でも「釣り合いが取れている・取れていない」とは言っても「あの女性は体型の釣り合いが抜群だ」とは言わないように、「プロポーション抜群」とは全く言われません。


  • スレンダー

    Slender とは「優雅に細長い」ことで、単に「細い」、「痩せている」という意味ではありません。人間の体型について使われる時は女性では身長175cmのモデルや高跳びの選手のような人のことを […]


  • セーブ

    Save は「大切なものを無駄に使わないで残しておく」ことで、「節約・節減する」ではあっても、単に「減らす」ではありません。「痛みをセーブする」、「(有名芸能人が)育児のために芸能生活をセーブする」等という文をよく見かけますが、特に前者は本末転倒のひどい誤用です […]


  • チャンス

    先日インターネットで「チャンスのある未来を」という標語を掲げている日本の政治家を見かけましたが、chance とは「どちらにも転びかねる状態」であり、良い意味での「可能性」、「希望」という意味では有りません […]


  • テクニシャン

    テクニシャンは「優れた技を持つ人」という意味では米国ではあまり使われません。また日本語で言う「技術者」は engineer で、technician はむしろ「作業者」に近い意味になります […]


  • デザイン

    日本では「グッドデザイン賞」等のように、「デザイン」が「形」の意味で使われていますが、design の本来の意味は「設計」であり「形」のことではありません […]


  • テンション

    最近日本では「テンションが上がる」というのが「興奮する、気分が高揚する」、「テンションが高い人」というのが「すごく元気・威勢がいい人」のような意味で盛んに使われているようですが、tension とは「緊張」、「危険に張り詰めた状態」のことで、日本で使われているような意味は全く有りません […]


  • ドクター

    Doctor は医学博士に限らず、数学、経済学、美術学、文学、薬学等の博士号を持つ人全てのことなので、英語人は「医者」ということを明確にする場合、 physician を使います。特に医療関係者自らは doctor はあまり使わず、専ら physician を使います。


  • トラブル

    Trouble とは基本的に人間関係の中で発生する問題、「揉め事、いざこざ」のことです。日本で盛んに使われているように病気のことについては殆ど使われません […]


  • ノーカット、ノーブラ

    “no-cut” という表現は米英では使われません。映画、動画、報道等には unedited(=編集されていない)、また本(小説、専門書、辞書等)については unabridged という […]


  • ハーフ

    「彼はハーフだ」を “He is a half” と訳すことは出来ないと同時に、場合によっては「(能力等が)一人前でない」、「完全・本物・純粋でない」という意味の侮蔑表現と受け取られますので注意して下さい […]


  • バスト

    Bust とは胸周り、胸とその裏の背中、さらにそれに関する衣服の寸法のことを特に意味し、日本人が盛んに使うように「乳房」の意味では使われません […]


  • パターン・ワンパターン

    Pattern とは本人が意図的に行う「方法・方式」ではなく、他から観察して見て取れる一連の行動・出来事の様式のことです […]


  • ハプニング

    Happening は日本語で使われている「ハプニング」の意味だけでなく、何にしても殆ど使われない言葉です。日本の「ハプニング」に直接相当する表現は無く、単に「予想外、予定外で~が起こった」と表現されることが殆ど […]


  • パワハラ

    Harass, harassment はそもそも立場の強い人間が弱い人間にするもの、その逆はあり得ず、power harassment は「暴力を使った暴行」のような妙な表現になります […]


  • ピンチ

    「ピンチ」は「ピンチヒッター」等の野球用語から来たものと思われますが、日本で頻繁に使われるように、単独で「危機」という意味では使われず、米国では “in a pinch” という表現の中でのみ使われます […]


  • ヒント

    日本で「~からヒントを得て新技術を開発した」のような文をよく見かけますが、hint とは既に分かっている答えに辿り着きやすくするための「ヒント」で …


  • ブレイク

    Break は最近日本で盛んに使われているように「ブレイクする」と単体で「一躍成功する」は全く意味しません […]


  • プレゼント

    米国では贈り物は普通 gift で、present は birthday present や Christmas present のように修飾語と一緒に使われる以外はそれほど使われません。更に重要なのは、「プレゼントする」のように動詞としては全く使われないということです […]


  • ホームページ

    Homepage はウェブサイトの最初、玄関のページ自体のことで、日本語で「今度うちに来て下さい」とは言っても「今度うちの玄関に来て下さい」とは誰も言わないのと同じで、英語人は “please visit our homepage” とは誰も言いません […]