間違いだらけのカタカナ英語

日本人が現在日本語に混ぜて使っているカタカナ英語の殆ど全ては間違っていると言って良いでしょう。頭の悪い有名人やメディアの人間がどこかで聞きかじった英語を「格好良く聞こえる」という理由で間違って使い出し、更に英語の本来の意味と全く違う日本語に基づいた拡大解釈をして益々間違いが大きくなる、という悪循環が続いているようです。なぜ訛った英語を日本語に混ぜるのが良いと思えるのか、その感覚の理解に苦しみますが、いずれにしてもこれは世界の先進国の中では日本にだけみられる特殊・異様な行動です。

日本人の間だけで間違った英語を使っているならまだ害は少ないですが、それが正しい意味と勘違いして英語を話す際に使うと、意味が通じない、誤解される、それどころか最悪の場合には失礼な意味になる、顰蹙を買う、ということになり、百害あって一利無しです。

「キログラム」「マウス」「スケートボード」のように外国起源で日本語に対応するものが無かった語彙は仕方ないとして、日本語で表現できることに訛った上に意味が間違った英語を使うのは止めて、私達の美しい日本語を美しく使い続けましょう。

  • アシスト

    Assist は日本語の「補佐する」と同様人間(或いは人間の集まりとしての組織・集団)についてのみ使われ、事物が何かの助けになることには使われません […]


  • アタック

    Attack は基本的に「敵を倒すために力を使って攻撃する」ことであり、日本語で盛んに使われているように「挑戦のしがいのあるものに挑戦する」という使い方はされません […]


  • イメージ

    現在の日本では「イメージ」が本来の英語の image の意味から滅茶苦茶に拡大解釈されており、英語として殆ど通じません。Image の本来の意味は画像、及び心に描く視覚的な像のことであり、日本人が盛んに使っている「概念」「連想するもの」「意味合い」「象徴」「感じ・雰囲気」等の意味はありません […]


  • オーケー

    日本では店の広告によく「予約無しでもオーケーです」のような文を見かけますが、OK とは基本的に「最善ではないが許容できる」という意味なので […]


  • オーバー

    Over は接頭辞としては「過」の意味で広く使われますが、単独では「過」の意味では全く使われません。”That is over” は「それは終わった」の意味で、「それはオーバー(=大袈裟)だ」は全く意味しません […]


  • オールマイティー

    Almighty は「他の全てを上回る力がある、何事も他に遮られず思い通りに出来る」であり、「なんでも上手に出来る」、「何の用途にも使える」という意味ではありません […]


  • カバー

    よく「カバーする」というのが「足りないものを補う」という意味で使われているのを見かけますが、cover にはそのような意味は有りません […]


  • カンニング

    Cunning は「狡猾な」「巧妙な手を使って相手を騙す」という意味で、普通人の性格、行動についての形容詞として使われ、日本語の「カンニング」のように「学校の試験中の不正」の意味は全く有りません […]


  • ギャグ

    Gag は舞台用語のようで、日本語で使われるようになったのはその方面から来ているのかもしれませんが、一般的に「冗談」の意味では全くと言っていいほど使われません […]


  • キャリア・ウーマン

    今日米国では仕事をずっとする女性は当たり前になり、もう特別な表現は存在せず、「キャリアウーマン」という概念を持ち出す事自体が差別的と見做されることが多くなります […]


  • クラシック

    日本語で言う「クラシック=古典」は英語では classical で、classic は「ずっと皆の記憶に残る名作、名勝負」の意味になります […]


  • クレーム

    Claim とは「何かを主張する」更に「自分の権利を主張する」という意味で「苦情・不平を言う」という意味では全くありません […]


  • ケアラー

    米国では caregiver が使われ、carer は全く使われません。豪州で官公庁が carer という言葉を使っているのをインターネットで見かけましたが、米国で使われないのには理由があります。 […]


  • コンプレックス

    Complex は「何かが異常に気になる状態」で、劣等感は inferiority complex、つまり complex の一形態であり、日本で使われているように complex = 劣等感ではありません。全く間違っているわけではないのですが、少なくとも米国では心理状態の意味では専門家以外には殆ど使われません […]


  • サービス

    日本では「サービス」は「無料奉仕」、「本当はしなくてもいいこと善意でする」という意味で頻繁に使われていますが、本来の service, serve(動詞)は単に他のために何かをする、何かを提供することで、「無料奉仕」の意は全く無く […]


  • シーン

    日本では盛んに「ビジネスシーン」等という表現が使われていますが、scene とは何か具体的な事件が起こった「場」のことで、「機会、状況」という意味の「場」ではありません […]


  • シニア

    Senior の発音は「スィーニア」に近くなります。英語人にとっては “s” と”sh” は全く別の音で、日本人にとって「蓋」と「豚」、「墓」と「馬鹿」が違うのと同等のため、「シニア」は全く別の単語に聞こえます […]


  • シビア

    Severe とは悪い、辛い、苦しい、望ましくないものの程度が非常に激しい、という意味で、単に「厳しい」「難しい」「厳格な」という意味ではありません […]


  • スタイル

    Style とは外観に関しては服装・髪型等の様式のことで、「体型」の意味は全くありません […]


  • スマート

    Smart は英国では「格好が良い」という意味で使われることがあるようで、日本の「スマート」はそこから来ていると思われますが、米国ではその意味では全く使われず、「頭が良い」という意味でしか使われません […]