現在このウェブサイトは個人で運営されいます。教材とウェブサイトの開発も全て個人で行い、現在迄に十年近くの時間と膨大な労力を費やしてきました。取り敢えずウェブサイト公開のところまで漕ぎ着けましたが、今でも完成には程遠い状態です。
既にお気づきかもしれませんが、現在のところボタンを押せばプログラムが自動的に発音してくれるような機能がありません。ウィンドウズには視力障害者用の画面読解機能「ナレーター」があり、使い勝手は悪いですが、役には立ちます(ナレーターの使い方はマイクロソフト及びウィンドウズの文献を御参照下さい)。本ウェブサイトに内蔵して使っても良いものは非常に高価で今のところ手が出ませんが、十分な資金があるようになれば真っ先に解決したいと思います。
教育はやる気がある人には無償で提供されるべきというのが私の信念で、このウェブサイトは基本的に常に無償で公開され続けます。本ウェブサイトは語学学習のためのものですから政治思想的中立等は無関係であり、広告収入も可能な限り利用するつもりですが、それだけでウェブサイトを存続させることができるか、また内容を一層充実させることができるのか、未だ判りません。
このウェブサイトと教材が役に立ち、利用し続ける価値があると考えて頂けるなら、額を問わず御支援を御願い致します。
言葉は人間の最も重要な文化遺産の一つです。しかし世界中の言語の半数はこの百年以内に消滅すると推定されているそうです。世界中で数千年かけて形成された言葉が死滅して、一握りの有力言語だけが生き残るとしたら、人類文明史上最悪の悲劇の一つではないでしょうか。
言葉は単なる意思疎通の道具ではなく、それぞれの文化の根幹の一部を成しています。皆さんも英語を本当に話せるようになれば、日本語の根源まで日本の社会習慣が織り込まれていること、日本の社会習慣を無視して日本語を話すことがとても難しいこと、そして英語は全く別の社会習慣の言葉であること、日本人同士の間でも英語で話すと行動様式まで変わることに気が付くでしょう。異文化の言葉を学び、話せるようになることにより、異文化を本当に理解することができるようになります。環境・資源・食料問題を含め、国際協力が一層必要になっているのに、逆に国粋主義・排他主義が再び台頭している今の世界で、異文化を理解することはかつてなく重要だと思われます。
勿論、言葉は今までも社会の変化と同時に変化し続けてきました。日本語の語彙の多くは中国語から輸入されたものですし、現在の英語はゲルマン語、ケルト語、ラテン語の要素がごちゃまぜになったものです。私達も平安文学はおろか、明治時代の文書でさえ読むのに苦労することがあります。しかし共通語の名目の下に自国語を捨てるのは、自分達の文化、歴史の大部分を捨てることになります。自分の国の昔の文書・文学が全く読めない、自分自身の名前や住んでいる土地、山、河の名前の意味・由来が全く分からない、それがそれ程素晴らしいことでしょうか?
英語圏に住んでいると、単なる発音記号でしか無いアルファベットというのはとても味気ないもの、読まなくても見ただけで意味が判る漢字は本当に美しく素晴らしいものだと感じます。「愛」「心」「家族」等は欧米の若者の間で最も人気のある入れ墨の一つです。それなのに日本人が自ら漢字を使うのを避け、カタカナを使いたがるというのがとても情けないです。
世界の色々な言葉を保存することは、世界の色々な料理や音楽を保存することと変わりないと思います。皆同じ言葉を話し、同じ料理を食べ、同じ音楽を聴かなくてはいけない、そういう世界が素晴らしいとはとても思えません。さらにそれが愚の上塗りであるのは、外国語を学ぶことは本当はそれほど難しいことではないことだからです。正しいやり方で教え、学べば、私達は皆数ヵ国語を自由に話すようになれるのです。私はそのことを証明するためにこのウェブサイトを作りました。
私がこのウェブサイトと教材を作ったもう一つの大きな理由は、日本人にデタラメな英語を混ぜた妙な日本語を話すの止め、世界共通語としての英語を正しく話すと同時に、日本語を話す時は本当の美しい日本語を話して欲しいからです。ひどく訛った英単語を日本語に混ぜるのが格好いいと思える人の感覚が全く理解できません。外国人がひどく訛った上に意味を勘違いした日本語を使っているのを聞いて格好いいと思いますか?自国語に英語をやたらと混ぜたがるというのは、他の先進国では全く類を見ない日本人だけの特殊な行動です。日本語と英語の両方を正しく話す立場からすると、最近の日本人の話す日本語はピジン言語のように聞こえて、非常に滑稽、さらに異様です。
この二十年の間に欧米が日本を見る目は完全に変わりました。それまでは第二次大戦の戦犯、また戦後の日本の経済復興にしても日本人はただあくせく働いて、信頼性は高い機械を大量生産する働き蟻のような人間達、何を考えているのか、何をしでかすのか分からない、欧米の理解を超えた国と描かれいました。そういう日本に対する見方を他でもないアニメとゲームが変えるとは思いも寄りませんでしたが、二十年程前まで米国人は「日本人は大人になっても漫画を読む幼稚な連中」と言っていたのに、今や米国のどこの書店に行っても一番目につく一角が日本の漫画売り場になっています。スーパーの雑誌売場でも日本アニメの雑誌が売られているし、出入り口にはポケモンの自動販売機が置かれています。漫画から派生したドリフト走行や改造車も大人気で、今や日本車は若者にとって自分達の手に入る高性能車の代名詞です。たまたま出会った米国人の若い人がことごとく「世界で一番住んでみたい国は日本」と言います。今や日本は米国と並ぶ世界の若者文化の最大の発信源になったと言えます。更に特筆すべきことは、日本文化は世界中で人種・文化を超えて広く受け入れられていることです。アニメにもゲームにも全く関心が無い私は少し変な気もしますが、日本に対する世界の見方が変わったことは紛れもなく良いことです。安全、清潔、平和、謙虚、勤勉、楽して儲かる天然資源が全く無い一方、自然大災害は他に類を見ないほど多いのに、それでも先進国なのは世界で日本だけです。
私が我慢ならないのは、日本には世界中から称賛されている誇るべき独自の文化があるのにそれを捨てて、日本を敵視・蔑視してきた米英の猿真似をして嬉しがっている連中が沢山いるということです。日本の中だけにいると理解できないのでしょうが、米英には日本・アジアに対する差別が根強く存在します。事実米国ではコロナ禍の煽りでアジア人全体に対する差別が再燃し、日系人を殊更に狙った暴行事件まで起きています。米国人の多くにとってはアジア人は皆同じで、中国は敵国で、日本は同盟国であるなどということは全く考慮されません。
外国人が尊敬する日本は固有の文化を持った日本で、米英を猿真似する日本ではありません。このウェブサイトと教材を使って日本人が皆正しい英語を自由に話せるようになれば、訛った妙な英単語を日本語に混ぜることがいかに愚かなことか分かってもらえると思います。そしてやがて美しい日本語が蘇ることを祈っています。
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著者について
東京育ち。中学生の頃に英米のロック音楽の影響で英語に興味を持ち、英語の小説の原文と日本語訳を並べて読んだりしながら独学する。高校では本当の英語と全く違う学校の英語授業を無視したために落第しそうになるが、試験導入された米国人英語教師と職員室で英語で会話し、日本人教師の度肝を抜く。インターネットなど無い時代に米国の雑誌を苦労して読んだりしながら、浪人の時にTOEFLでほぼ満点を獲得。大学卒業後大手企業に数年務めた後米国に移住し、そのまま三十年近く生活している。米国ではずっと現地企業で働き、日本の親類・友人と時々通信したり、オリンピックやワールドカップで日本を応援する以外は日本と殆ど縁が無い生活をしている。