“He is a half” は「彼はハーフだ」の訳にはならないと同時に、場合によっては「(能力等が)一人前でない」、「完全・本物・純粋でない」等の意味の侮蔑表現と受け取られますので注意して下さい。また「混血」に当たる “mixed-blood”, “half-blood” は人間に対しては明らかな差別・侮蔑表現と考えられますから避けるべきです。
日本と違い「混血」が取り立てて珍しくない米国では、少なくとも大っぴらにそれを取り沙汰することは少ないですが、米国では以下のような表現が普通使われます。
- He is half white and half black -> 彼は半分白人で半分黒人だ(この表現は侮蔑とは受け取られない)
- Her father is Japanese and mother is Korean -> 彼女の父親は日本人で母親は韓国人だ
- She is German-American -> 彼女はドイツと米国の二重国籍を持つ。彼女は片親がドイツ人で片親が米国人だ
既にお気付きかもしれませんが、上記の例は両親の人種だけでなく、人種は同じでも国籍が違う場合を含んでいます。特に米国では両親の人種が異なる場合は以下の表現が使われます。
- He is bi-racial -> 彼は二重人種だ。両親の人種が異なる。
- She is multi-racial -> 彼女は多重人種だ。三種以上の人種が合わさっている(発音は「マルチ」ではなく「マルタイ」)
いずれにせよ、日本人の多くは未だに実感していないようですが、人種は米国は勿論のこと世界中で非常に繊細な問題(欧米では今でも日本人自身が劣等人種と見做されている)ですから、それに関わる表現にはとにかく気をつけることが必要です。