まず最初に、英語の scene の発音は「スィーン」で、「シーン」は sheen (光沢、輝き)になります。英語人にとっては scene と sheen は日本人にとって「死」と「痔」、或いは「桃」と「腿」が全く違うのと同様、全く別の音の、別の単語になります。
日本では盛んに「ビジネスシーン」等という表現が使われていますが、scene とは何か具体的な事件が起こった「場」のことで、「機会、状況」という意味の「場」ではありません。
- A crime scene -> 犯行現場
- The rescue squad rushed to the scene of the accident -> 救助隊が事故現場に急行した
「仕事の場」のような「機会、状況」の「場」は occasion, setting が普通使われます。
- An appropriate dress for business occasions -> 仕事の場に相応しいドレス、服装
- A sensitive occasion like a funeral -> 御葬式のように気を使う必要のある場
「机の数え方はシーンによって違う」という日本の記事をインターネットで見たことがありますが、これも全く間違った使い方で、scene では表現されず、次のような表現が使われます。Context は「文脈、その話題の展開している状況」という意味になります。
- Different counting words in Japanese are used for desks, depending on the context
勿論 scene は映画や劇の中の「場面」としては使われます。
- The famous scene of the movie -> その映画の中の有名な場面
また日本語にも輸入されているように、特に文化・風俗の「世界」という意味では頻繁に使われます。
- She is the brightest star of the pop music scene today -> 彼女は今日大衆音楽界最大のスターだ
- He is well-known in the local drug scene -> 彼は地元の麻薬取引界でよく知られている
また scene は「騒ぎ、他人の注意を引く場面」、特に make a scene という表現で「人前でみっともない場面を作る=醜態を晒す」という意味で頻繁に使われます。
- Don’t make a scene. Everybody is watching -> みんな見てるんだから、みっともない真似するな
- He got drunk and made a scene -> 彼は酔っ払って醜態を晒した