root は本来「植物の根」であり、小さな雑草ですら根は非常に複雑に伸びるように、長い時間を経て変遷しながら派生した多くのものとその起源を指します。つまり生物、色々な要素が加わって作られた文化、又は社会問題の「根源・根底」、のように複雑なものに使われるのであって、何でもかんでも「起こり」の意味で使われるわけではなく、「「暖簾に腕押し」という表現の roots」とは誰も言いません。日本語でも「暖簾に腕押し」の「由来」とは言うが「根源」とは言わないのと同じです。
物事の「起こり」は通常 origin が使われます。また「ルーツ= roots」は複数形ですから、「根源」が一つに特定できる場合は当然単数形の root になります。
これも結局、日本人がカタカナ英語の意味を拡大解釈する典型例です。日本語だったら「普通そういう意味では使わない」と思うところが、カタカナ語になると何故か変な使い方をし始めてしまうようです。やはりよく知らない外国語をやたらに輸入するのはやめるべきでしょう。