英語人の子供は「関係代名詞」という言葉すら知りませんが、誰でも自由に使いこなします。理屈をこねるのはやめて、英語人が皆するように生きた言葉をそのまま学びましょう。

「関係代名詞」という言葉からしてややこしそうで嫌になりますが、本当はとても簡単です。

  • The book that I bought -> 私が買った本
  • The car that I drive -> 私が運転する車
  • The school that I graduated from -> 私が卒業した学校

日本語には関係代名詞が無く、「私の本」の「私の」だけでなく「私が買った」のような節でも名詞の前にくっつけるだけですが、英語では<名詞+関係代名詞+従属節>の構造になり、関係代名詞が名詞と従属節の間のつなぎ言葉になっている、それだけです。英語と日本語をそれぞれひっくり返してみれば、次のようになり、分かりやすいかも知れません。

  • The I-bought book -> 本、私が買った
  • The I-drive car -> 車、私が運転する
  • The I-graduated-from school -> 学校、私が卒業した

関係代名詞の that には単数・複数の違いはありません。

  • The book that I read -> 私が読んだ(一冊の)本
  • The books that I read -> 私が読んだ(複数の)本

会話では関係代名詞の that は多くの場合省略されます。その場合は日本語と英語は語順が違うだけになります。

  • The book I bought -> 私が買った本
  • The car I drive -> 私が運転する車

That は which と交換することが出来ます。Which は that より文語的になります。

  • The book which I bought -> 私が買った本
  • The car which I drive -> 私が運転する車
  • The school which I graduated from -> 私が卒業した学校

That は物だけでなく、人についても使うことが出来ます。Which は昔は人にも使われましたが、今は使われません。

  • The girl that I am in love with -> 僕が恋している女の子

Which はしばしば前置詞の後に来ます。この使い方の時は which は that に置き換えることは出来ません。That を使う場合は前置詞は動詞の後に来ます。

  • She received an award for this book -> 彼女はこの本で賞を受賞した
  • A book for which (that) she received an award -> 彼女が賞を受賞した本
  • A book that she received an award for -> 彼女が賞を受賞した本
  • He won the race with this car -> 彼はこの車でレースに勝った
  • The car with which (that) he won the race -> 彼が(乗って)レースに勝った車
  • The car that he won the race with -> 彼が(乗って)レースに勝った車

関係代名詞の本質はこれが全てで、後は他の飾りがついただけに過ぎません。

ちなみに which は厳密には関係代名詞ではないが、似たような使い方をされます。

  • He resigned from the company, after which he started his own company -> 彼は会社を辞め、その後自分の会社を始めた

上の例文では which は “he resigned from the company” の中の名詞の “he” にも “the company” にも直接係っておらず、代わりに「会社を辞めた」という節全体に係っているため、英語の文法学者は間違った使い方とする人もいますが、実際にはよく使われる構文で実用上は全く問題ありません。


Who は人が対象の関係代名詞です。

  • The girl who lives next door -> 隣に住んでいる女の子
  • He is the one who did this -> これをしたのは彼だ

上記の通り who は that で代替することが出来、that と同様に会話ではしばしば省略されます。

Whom はどちらかというと文語で、日常会話ではあまり使われませんが、単に who の目的格です。以下の例を見て下さい。

  • I talked to a store clerk -> 私は店員と話をした
  • He is the store clerk whom I talked to -> 彼が私が話をした店員だ
  • I met a girl -> 僕は女の子に出会った
  • The girl whom I met -> 僕が出会った女の子
  • The bell tolls for me -> 私のために鐘は鳴る
  • For whom the bell tolls -> 誰がために鐘は鳴る

Whom は会話では普通は who に代替されます。Whom のままだと妙に改まった感じになります。

  • Who(whom) are you looking for? -> 誰を探してるんですか?
  • For who(whom) do I have to do that? -> 誰のためにそんなことをしなきゃいけないんだ?

Whose は who と 関係代名詞としての whose の所有格ですから、人と事物の両方に使えます。

  • His father is a famous politician -> 彼の父親は有名な政治家だ
  • A man whose father is a famous politician -> 父親が有名な政治家の男
  • The headquarters of the company is in New York -> 会社の本部はニューヨークにある
  • A company whose headquarters are in New York -> 本部がニューヨークにある会社