英語は動詞主導の言葉

英語は日本語と違い、動詞主導の言葉です。日本語では動詞を副詞・形容動詞等で修飾して表現するものの多くが、独立した動詞で表現されます。例えば「叩く」には以下のような独立した動詞があります。

  • bang -> バンバン叩く
  • beat -> 繰り返し強く叩く
  • knock -> コンコン叩く
  • hit -> (一撃で)強く叩く
  • pat -> 掌でポンと軽く叩く
  • punch -> 拳で叩く
  • slap -> 平手でパチンと叩く
  • spank -> 平手で(罰として)お尻を叩く
  • swat -> ハエなどを素早く叩き落とす
  • tap -> 指でトントンと叩く

日本人が日本語を英語に直訳しようとして、英語の正しい動詞を選ばず、動詞に修飾語を付けようとすると、意味は何とか通じても、不自然、妙な英語になってしまいます。

日本人が頻繁に犯す同じような間違いとして、日本語の「~をする」という構造に囚われて、正しい英語の動詞を使わないことが挙げられます。例えば日本製品の取扱説明書の英語版では「プログラムの設定をするには」というつもりで下記のような訳を見かけます。

  • How to make settings for the program ❌
  • How to set up the program ❤

「私はそういう見方はしない」についても同じような発想が日本人にはよく見られます。

  • I don’t have that kind of point of view ☹ (通じるが、自然な英語ではない)
  • I don’t see it that way ❤

また日本人が「電車に乗る」を “ride on a train” と訳しているのをよく見かけますが、 “ride” はそのものが「~に乗る」という意味なので “on” は余計になります。「馬に跨る」も “straddle” そのものが「~に跨る」という意味なので、”straddle on a horse” ではなく、”straddle a horse” になります。

勿論これらは一般的な傾向であり、全ての表現に当てはまるわけではありませんが、一つ確かなのは、日本語と英語は全く種類の違う言葉で、日本語を英語に訳そうとしている限り、英語が話せるようには絶対にならないということです。この教材の中で何度も繰り返しているように、英語は英語のままで学ぶ以外ないのです。