メリット・デメリット

日本でどうして使われるようになったのか判りませんが、米国では一切使われない表現です。特にデメリット(demerit?)という言葉が使われているのは一度も見聞きしたことがなく、殆ど理解されない表現と思われます。

Merit は「利点」ではなく、「称賛、認識に値する実績・功績・結果」の意味で使われます。

  • He was chosen for his own merit, not because of his powerful father -> 彼は有力な父親のお陰ではなく、自身の実力・功績によって選ばれた

物に merit が使われる時も、それが積極的・能動的に作用する良い結果、効能を意味します。Merit は「意義・価値」という意味でも頻繁に使われますが、この場合もそのものの積極的・能動的意義・価値のことであり、「駅が近い」等は何かが積極的に働いた結果ではないので、merit とは普通言われません。

  • The movie has little artistic merit -> その映画には芸術的価値・意義は殆ど無い
  • The lawsuit is without merit -> その訴訟には法的意義が無い、法的に有効性の有る結論は出ない

前述の通り、 demerit は上記の意味の反対語としてですら全く見聞きしません。

日本人が言う「メリット・デメリット」は、普通 pros and cons と言われます。advantages and disadvantages も使われますが、短くて言いやすい pros and cons ほど使われません。ラテン語で pro は 「正の」、con は「反対の」、の意味で、普通決まり文句として対で使われますが、単独で使われることもあります。

  • The proposal has pros and cons -> その提案には利点と欠点の両方がある
  • Pros: cheap, easily available. Cons: not durable -> 利点:安価、入手が容易 欠点:長持ちしない
  • I cannot think of any con in living in the city -> 欠点は何も思いつかない

また日本人が言う「メリット」は benefit と頻繁に言われます。

  • The benefits of living in a big city -> 大都市に住むことの恩恵、利点

「デメリット」は会話では特に issue, downside, drawback 等ともよく言われます。

  • The issues, downsides, drawbacks, of living in a big city -> 大都市に住むことの問題点、良くない点

但し 「メリット・デメリット」のように両者を対照させる時はやはり pros and cons が決まり文句だと言えます。